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ママチャリで行こうぜ

ガテン系弁護士の戦いの記録

退職勧奨を受けたとき


 どうも、娘と北海道に行った際、ホテルにあまりにも外国の方が多かったため「ねえ、パパ、北海道って日本語?」と聞かれて、子どもの素朴な疑問にウケた40歳目前の僕です。
 そういえば、夏の新千歳から旭川あたりまでは、見かける車のほとんどがレンタカーでびっくりしたのを覚えています。
 
 さて、本日は退職勧奨を受けた際に注意すべきことについてお話したいと思います。

 退職勧奨とは、会社の社長や上司などから退職するよう働きかけを受けることをいいます。
 例えば、会社の業績が悪化した時などに、そっと「辞めてくれないか」と働きかけることですね。
 退職の勧奨ですから、もちろん従う義務はありません。
 ですが、上司から業績の悪化や個人的な成績の不良など、様々な理由を告げられたうえで「辞めてくれないか」と言われると、事実上従うしかないようにも思えます。

 実は、この事実上の感覚こそ注意しなければいけないところです。

 会社はなぜ退職の勧奨を行うのでしょうか。
 一方的に会社の理由で雇用関係を解消するのであれば「解雇」するという手があります。
 なぜ会社は「解雇」という手段を使わないのでしょうか。

 会社の業績悪化を理由とした解雇となると、会社側の一方的な事情に基づくものであり、いわゆる「整理解雇」に該当すると思われるところ、実はこの類型の解雇が有効になるためには高いハードルを越えていかなければなりません。
 解雇は一方的な意思表示であるため、労働者の承諾なく言い渡すことができるところにメリットがあるのですが、上記のとおり、ハードルが高いことから、後に労働者側からその有効性について争われると、解雇が無効となりかねません。
 そうなれば、争うにあたってのコストがかかりますし、解雇が無効となれば、解決金として労働者側に支払わなければならない可能性もあります。
 このように解雇は会社側にとって、雇用関係を解消するための便利な方法ではあるのですが、リスクが伴うため、退職勧奨を選択することでそのリスクを回避するのです。
 退職勧奨であれば、あくまで事実上の働きかけでしかなく、労働者側がかかる働きかけを受けて退職の意思表示をすることによって雇用関係が解消されます。
 この場合はあくまで労働者側が選択したから雇用関係が解消されるという位置づけになるわけです。
 そのため法的には会社側のリスクが極めて少ない訳です。

 しかし、会社側が早期に雇用関係を解消したいと考えたとき、事実上の退職の働きかけを超えて、退職の強要とも言うべき事態に陥ることもあります。
 例えば「ここで自主的に退職をしてくれないならば、解雇を言い渡すしかないなあ。そうなれば転職に不利だよ。このまま会社にいても君に未来はないよ」などと働きかけるやり方です。
 上司から連日呼び出されて、上記のようなことを言われたら、やはり辞める以外選択肢はないのではないかと思いますよね。

 このような状況下で退職の意思表示をした場合でも、後に退職の意思表示を取り消すことができる場合があります。
 ただ、こういった話し合いは密室で行われることが多く、会社側からどのような働きかけがあったかについては証拠が残っていないケースがほとんどです。
 過去に退職に関してのやり取りをしていた際のメモが出てきて、不利な状況を打開したという事案がありましたが、証拠が少なく戦いにくい類型であることは間違いありません。

 もし退職を強引に迫られていると感じたら、可能な限り、上司との話し合いを録音するようにしましょう。
 また、その場を切り抜けるためにとりあえず退職届などに署名押印をするなどといったことはしないようにしましょう。
 一度相手方に有利な証拠を手渡してしまうと、後に争うことはかなり困難です。
 専門家に相談したうえで回答する、と告げてその場を後にするようにしてください。
 そうすれば、会社側も無茶な方法を取ることはできないでしょう。

 使用者と労働者という特殊な関係にある中で、自らの権利を守ろうとする場合、事実上の圧力にいかに屈しないかという点が重要になります。
 労働問題は突如として持ち上がり、気がつくと王手となっていることも少なくありません。
 
 自身での対応に不安を感じたら速やかにご相談ください。

  1. 2018/08/16(木) 17:25:01|
  2. 労働トラブル
  3. | コメント:0

解雇されてしまったら


 どうも、最近、日帰りの地方出張だと疲れが取れず、次の日まで引きずることの多くなった40歳目前の僕です。
 ここ数か月にわたり、月1ペースでの鹿児島出張が続いてきましたが、鹿児島出張は大のお気に入りです。食べ物はおいしいし、景色はキレイ、また空港のある霧島市には温泉も多く、仕事の合間にリフレッシュすることができるからです。
 必然的に鹿児島好きになり、せごどんTシャツを寝間着にするほどになりました。

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↑ せごどんTシャツです。

 さて、本日は解雇を言い渡されたらどうするかという話をしたいと思います。

 最近、いきなり解雇を言い渡されたのだが何かできることはないのかという相談を数件お受けしました。
 何の前触れもなく、明日から来なくていいなんて言われたら困ってしまいますよね。
 昔に比べれば、労働トラブルについての知識が広まったせいか、使用者からの理不尽な解雇は減ったように思えますが、残念ながら解雇に関わるトラブルについてご相談いただくことは今でもございます。
 以下、解雇を言い渡されたときの対処法について説明いたします。

①解雇の事実を争われないようにする

 意外と多いのが、解雇を口頭で言い渡すケースです。
 「明日から来なくていい」「クビだ」と社長から言われたという時に、法的には解雇されたと言えるのですが、後に「あれは解雇ではなく、退職を申し入れただけだ、勝手に君が辞めたんだろう」と言われるケースもあります。
 これは法的に解雇が有効になるためのハードルが高いため、トラブルになった後、自主的な退職をしたという話に持ち込んでしまおうというやり方になります。
 もし、解雇の事実について相手方が争ってきたときには、こちら側が「解雇された」という点を証明しなければなりません。
 そのような事態に備え、社長なり上司なりが口頭で解雇を言い渡してきたときは、解雇の通知を「書面」で出すよう申し入れしましょう。
 抵抗するようであれば、少なくともメールで解雇であることを確認するやり取りや、会話の録音などを行うなどの方法を取ることも考えられます。

②解雇の理由を争われないようにする

 口頭で解雇を言い渡す場合に多いのが、後に解雇理由が変わるというものです。
 極端なケースで言うと、社長がセクハラまがいのことをしていたため、それを拒否したら、もう来なくていいと言われたケースがありました。
 口頭では、こちらの要望に応えないのであれば、会社に来てもらう必要はないという自己中心的な理由を話していたのですが、後に、成績不良だとか、指示に従わないとか、当初の理由とは異なる話を出してきました。
 こうなると、当初の理不尽な解雇理由が証拠に残っていないため、労働者側としては争いにくくなってしまいます。
 
 解雇に対抗するためにきちんと準備するためには、相手方がどのような理由で解雇を通告してきたのかを明らかにし、それに対して、かかる理由が不合理であり、相当性を欠くものであることを主張していく必要があります。
 すなわち、解雇理由が後出しじゃんけんのように変わったり、追加されたりすると、相手方に解雇を正当化する余地を与え続けることになり、いつまでも充実した戦いをすることができません。

 解雇の通知と同様に書面で解雇理由を出すように申し入れしましょう。
 最悪でもメールや録音などで解雇理由が分かるようなやり取りを残しておくことはしておいたほうが良いかと思います。

③退職届を書かない

 解雇は使用者側からの一方的な意思表示になり、雇用関係は一方的に解消されることになります。
 そのため、解雇をされればそれで終わりで、あえて退職届を書かなければならないことはありません。
 このあたりを誤解されている方が意外と多く、解雇された後に、退職届を書いてしまったという方がおりました。
 この場合、解雇の通知や解雇理由証明書がないと、自主的に退職を申し出たような証拠しか残っていないことになり、後に解雇が不当であると争いたいと考えても、そもそも解雇の事実を証明できず頓挫するということにもなりかねません。

 会社側から解雇を言い渡されたら、繰り返しになりますが、まずは解雇の通知や解雇理由証明書を出してもらうようにして、それ以外に、退職届だとか退職願といった書面を出すよう言われても、安易に従わないように注意しましょう。

 労働トラブルは、使用者と労働者という独特の力関係の中で起こるものであることから、一方的に押し切られてしまうことも多くあるようです。
 そして、一度、相手方に事実関係を固められてしまうと、後に争うことは難しくなっていきます。

 労働トラブルに巻き込まれたときは、速やかにご相談ください。

  1. 2018/08/14(火) 10:27:35|
  2. 労働トラブル
  3. | コメント:0

プロフィール

弁護士 若井 亮

Author:弁護士 若井 亮
若井綜合法律事務所代表弁護士。二児の父。
格闘技と貧乏旅行をこよなく愛し、体力と工夫で戦うガテン系弁護士。
末っ子。

どんな案件でもご相談は初回無料でお受けしております。

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