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ママチャリで行こうぜ

ガテン系弁護士の戦いの記録

自分に合った弁護士を探す


 どうも、「あなたの風邪はどこから」というCMがありましたが、大抵は喉から風邪をひいている40歳目前の僕です。
 普段全く病院に行かず、薬の世話になることもないせいか、体調不良に対する耐性が極めて低く、単なる風邪でも「このまま死ぬのではないか」と大袈裟に騒いでいます。
 こんな病院と薬嫌いの私ですが、嫌いならば未然に防げばいいのだと漢方ほか、東洋医学に興味を持ち始めました。

 さて、本日は自分に合った弁護士の探し方についてお話したいと思います。

 弁護士ドットコムをはじめ、今は法律事務所や弁護士に関する情報を提供するポータルサイトが充実しているおかげで、弁護士探しは以前に比べてかなり楽になったのではないかと思います。
 他方、あれだけの情報量となると、どこの誰に頼んで良いのか分からないという悩みも出てくるのではないでしょうか。
 そんな時、どうやって依頼する弁護士を絞り込んでいくべきなのでしょうか。

①エリアで探してみる

 お医者さんを探す時を思い出して欲しいのですが、自宅の近くや職場の近くで探すことが多いのではないでしょうか。
 医師の診察と同様、弁護士も、皆さんからお話を伺い、またお手持ちの証拠を拝見させていただいて見通しを立てていきます。
 電話やメールなどでも対応できないことはありませんが、直接お会いしてご相談内容について細かいニュアンスを確認したり、証拠に直接触れたりするほうがより正確に見通しを立てることができるでしょうし、誤解などを回避することもできるでしょう。
 そのため「通いやすい」ということは皆様にとっても、弁護士にとっても大きなプラスになるかと思います。
 まずは、エリアという軸で探してみるのが一つですね。

②専門分野で探してみる

 ご自身の相談内容に力を入れている法律事務所や弁護士を探すというのも一つですね。
 刑事弁護中心、離婚中心、交通事故中心など、特定の類型の事件を中心に受けている事務所も増えてまいりました。
 受ける事件を絞っているということは、それだけ当該分野についての経験が多く、自身の要望に従った弁護が期待できる可能性があります。
 また、こういった事務所は無料相談を実施していたり、ホームページの情報量が充実していたりすることも多く、情報収集に利用するだけでも一定の価値があるかと思います。
 もっとも、最近では「注力分野」という形で広告上銘打っていても、どのくらい実績があるのかが見えない事務所も増えているように思えます。
 自称でしかないということもある訳ですね(笑)
 そのため、とある類型に力を入れている事務所を探す場合には、例えば、所属する弁護士の解決事例や著書や講演情報、ポータルサイトにおける法律相談の回答例などを参考に、自分に合っているか確認すると良いかと思います。

③ポータルサイトと無料相談で一本釣りを狙う
 
 私が個人的にお勧めするのは、この方法です。
 エリアや専門分野という軸は分かりやすいのですが、まだ目が粗く、自分の要望に応えてくれる弁護士であるかは確実ではありません。
 事案によっては年単位で紛争が続くこともある訳ですから、究極的に言うと、相性が合わないと皆様にとっても弁護士にとってもハッピーな結果は手に入りにくくなる可能性があります。
 そのため相性をチェックする方法として、無料相談やポータルサイトにおける法律相談での回答をチェックして、能力はもちろん、同じような事案になったときの方針や人柄を見ていくのです。
 また、実際に無料相談を利用すれば、弁護士の仕事の仕方の一部を垣間見ることができます。
 例えば、レスポンスの速さなどです。
 残念ながら、弁護士に対するクレームで多いのが、レスポンスが遅い、何をやっているか分からないというものです。
 依頼した後に不満を持っても、すぐに変えることは難しくなってしまうかもしれません。
 人生に関わる事件について、ある程度のコストを支払って依頼する訳ですから、事前に「お試し」を利用するべきでしょう。
 
 実は、無料相談を広く実施することには勇気が必要になります。
 事務所によっては例えば、交通事故であれば無料相談をお受けするなど、類型を絞っている事務所もありますが、弊所のように「全ての」相談を初回無料にすると、お問い合わせは多数頂戴するものの、無料相談に対応するために多くの時間を要することとなり、業務を圧迫する可能性があるからです。
 また、安かろう悪かろうという相談であれば実施する意味もありませんので、一定のクオリティは維持しなければなりません。
 無料相談と謳っておいて、どうしようもない相談をしていては単に評判を下げるだけですからね。

 そのため、無料相談でどこまで親身に相談に乗ってくれる事務所であるかという軸からの観察は、その後の相性やサービスの質を判断するうえでも非常に参考になるであろうと思っております。

 個人的には無料相談のクオリティをどのように上げていくかに強い興味を持っております。相談で終わってしまうならば、それが一番良いですから。
 ただ、弁護士の負担を限りなく減らすという工夫は必要になるでしょうね。このあたりの考えについては、また触れたいと思います。

  1. 2018/08/20(月) 09:18:25|
  2. マメ知識
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取り立てはつらいよ


 どうも、『時をかける少女』のアニメを観て、次の人生では共学の高校に通いたいなあと本気で考えている40歳目前の僕です。
 私が通っていた高校は大学附属の男子校でした。校風は自由の一言に尽き、特殊な環境で、一か八かの人間を結構な割合で輩出する学校だと思います。見回すと、激しい人生を歩んでいる連中が多いですね。私もその一人ではある訳ですが…

 さて、本日は「取り立ては辛いよ」という話をしたいと思います。

 債権回収にあたっては、相手方の資力が回収可能性に大きな影響を及ぼすことになるという話については、以前も触れたかと思います。
 残念ながら、相手方にきちんと連絡が取れ、こちらの債権の存在を裏付けるだけの理屈と証拠があっても、相手方にお金がなければ回収可能性は著しく低下することになります。
 「お金がないので払えません」と言われてしまうと、本当に困ってしまうんですよね。

 もっとも、皆様からのご相談では、相手方が「お金がないので」と言うばかりで支払ってくれない、どうしたらよいかというものが圧倒的に多くの数を占めています。
 そのような状況で「相手方にお金がないのであれば回収は無理ですね」と話していては、弁護士なんか要らないじゃないかと言われてしまいますよね。
 
 こういった事案を何とかすることはできないか、そう考えて「お金がない」と言われて平行線になった状態の事案を過去に何件かお受けしたことがあります。
 
 こういった事案ですと、借用書や契約書などは手元にきちんとある場合が多いですね。中には公正証書がある事案もありました。
 悪質な債務者となると、公正証書を作ったとしても、資産がなければ(または、資産の在りかさえ押さえられなければ)紙切れに過ぎず、逃げ続けることができると考えているのかもしれません。
 いずれにせよ、請求をするために必要なお膳立てはきちんとできているというケースが多いのです。

 また、電話をかけたり、メールを送ったりすれば、折り返しや返信が遅れることもありますが連絡は取れるというケースも多いですね。
 ただ、連絡が取れても「今はお金がなくて…」という話をされるだけで進展がないことが多いのですが。
 
 こういった事案で、資産の在りかが全く分からないとなると、後は根性しかありません。
 弁済契約書等で定めた弁済期の直前に何度も電話し、支払いの可否や経済状態を嫌というほど具体的に確認します。
 出来る限り裏付け資料を出してもらい、支払いが遅れる場合には、たとえそれが一日であったとしても入金がなされるまで催促を続けます。
 必要に応じて、相手方の自宅を訪問するなどして、定期的に経済状態の把握にも努めます。
 知らぬうちに自転車や車が新調されていたり、家族が増えていたりして、そこで発生した経済的な負担にどう対応したのかということをしつこく聞いていくうちに、今までは見えなかった金脈を探し当てることもあります。
 
 要するに面倒くさい債権者になることが必要なのです。
 債務者も霞を食って生きている訳ではなく、どこからかお金を手に入れて、それを元に生活をしている方がほとんどです。
 お金がないという状態にも様々あり、1円も余裕がないという方はほとんどいません。
 大抵は他に優先すべきものがあると考えており、その優先すべきものにお金を使うために返済に充てることができない(と勝手に思い込んでいる)ケースなのです。
 ですから、いかにして自分の優先順位を上げるかという点を考えなくてはなりません。

 また、大きなお金を貸した方は、一括か数回で返して欲しいという希望をぶつけるばかりで現実をなかなか直視できないという状況にあることがあります。
 大事なお金を貸した訳ですから、おっしゃるところはもっともです。
 また、ご自身にもご都合があるでしょう、一日も早く全額回収したい気持ちになるのは当然です。
 しかし、無理な希望をぶつけても「お金がない」(と思いこんでいる)相手から一気に回収するのは不可能です。
 債権回収の基本は1日でも早く1円でも多くです。
 たとえば少額でも返ってこない期間が長くなれば長くなるほど、回収金額のトータルは下がります。
 コツコツ事あるごとにお金を回収して、どこまで行けるか、そういう勝負であることをまずは自覚する必要があるでしょう。

 さて、面倒くさい債権者になると簡単に書きましたが、回収を経験された方であれば分かるかと思いますが、回収するほうの負担はかなり大きいです。
 毎回のらりくらりとかわす債務者の話に付き合いながら、時に攻め、時になだめ、舐められないように、追い込み過ぎないようにして支払わせるのは並大抵のことではありません。

 もし、お金がない相手からの債権回収に疲れたら、ご相談ください。
 取り立てをしながら、資産に関する証拠を保全し、回収可能性が上がるような事情の変更があれば一気に攻める、という形でお受けすることができます。
 不良債権を抱えることのストレス状況を脱し、限りある時間を楽しく健やかにお過ごしください。

  1. 2018/08/19(日) 16:09:00|
  2. 債権回収
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出会い系サイトでのサクラ被害


 どうも、焼き鳥は塩よりも断然タレ派の40歳目前の僕です。
 周りの同年代は、いつの間にかタレよりも塩を好み、居酒屋の店員さんに聞かれた際に、そりゃ塩だろうという雰囲気を出されて孤立しています。
 いつかタレ派で会合を開いて、タレの素晴らしさを思い切り語りたいです。

 さて、本日は出会い系サイトでの詐欺被害についてお話をしたいと思います。

 このブログでは何度も書いてまいりましたが、出会い系サイトはトラブルの宝庫です。
 もちろん全てのサイトで必ずトラブルが発生する…とまでは言いませんが、様々なトラブルに遭ったケースが報告されています。
 
 過去にご相談を受けたケースでは、某有名アイドルグループのメンバーであると装い、出会い系サイトで息抜きを求めているとアクセスしてきたというものがありました。
 もちろん相手方がその本人であることはサイト上では確認できないわけですが、実際のライブなどの情報などをどこかからか拾って来ては、今、○○にライブで来ている、疲れたなあなどといったメッセージを送って、本人であると装うのです。
 冷静に考えれば、多忙だと思われる本人が息抜きとはいえ身分を明かすということはあり得ない訳ですが、思い込みをうまく利用して、多額の料金を支払わせていました。
 同様のパターンに、芸能人のマネージャーなのだが、本人が息抜きに話し相手を探しているのだが話をしてあげてくれないか、というものもありましたね。
 
 最近ですと、芸能人を装うものはなくなりましたが、ネット上で拾ってきたと思われる画像を用いて、架空の人物を装うケースが増えております。
 この種のトラブルでは、利用頻度を上げて利用料金を稼ぐという手が取られることもありますが、大抵はメールアドレスの交換には会員のレベルを上げる必要があるといった話を持ち掛け、サイトに何度も課金させるという手口を用いる点が特徴の一つとして挙げられるかと思います。
 しかも、支払いの期限を設け、それまでに支払わなければ、今まで支払った分は全て無駄になるなどと焦りを利用したり、最終的には支払ったお金は返金されるから大丈夫ですといった話を持ち掛けたりすることにより、判断能力を奪っていきます。
 酷い手口には、わざと文字化けしたようなメッセージを送り「文字化けを解消する費用」などといって、課金するよう迫るものもありました。

 どれも当初説明のない、意味の分からない費用を請求するもので、これらは相手方にアクセスしたいといった感情を利用しつつ、判断能力を奪いながらお金を使わせるのです。

 驚くことにこういった出会い系サイトでのトラブルでは被害額が数百万円に上るようなケースもご相談いただいております。
 皆さんが口を揃えて仰るのは「気がついたらここまでの金額になっていた」ということです。
 また、どこかでこれは詐欺かもしれないと頭によぎるようなのですが、自分が被害に遭っていると思いたくないのか、詐欺ではないという方向で都合よく事実を捉えてしまっていたというお話がありました。

 どのようなトラブルでも言えることなのですが、重要なことは一人で抱えないことです。
 家族や知人に話をそれとなく聞いてみましょう。
 冷静な第三者からの感想が返ってきます。
 相談をしにくいということであれば、頭に詐欺であるかもしれないとよぎったタイミングで弁護士の無料相談を利用しましょう。
 巷で起こっているトラブルの事案について説明を受けるだけでも、冷静になり、被害の拡大を回避できるかもしれません。

 どうしても人に相談するのは気が進まないということであれば、せめてインターネットで業者名を検索するなど調べてみるようにしてください。
 トラブルの報告があるかもしれません。
 なお、インターネットで調べる際には、二次被害にご注意ください。
 悪質業者に回収を依頼して、高額な費用を取られただけで連絡が取れなくなったといったご相談をお受けすることがあります。

 情報収集には、法律事務所や公的機関のページなどを利用いただくと良いかと思います。

  1. 2018/08/17(金) 17:37:44|
  2. 詐欺被害対策
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認知をめぐる争い


 どうも、公営のプールに遊びに行った際、帰りになぜかパンツが見つからず、水着の上に半ズボンをはいて帰ったら、自宅の洗濯機の中でその日はいていったはずのパンツが見つかるという超常現象の片鱗に触れたあの夏を思い出して、しんみりしている40歳目前の僕です。てか、はいてなかったのかよ。

 本日は、認知をめぐる争いについてお話したいと思います。

 男女トラブルは多くご相談いただいておりますが、その中でも多くの数を占めるのが、認知を請求したいといった相談や認知を求められているという相談です。
 当事者が独身同士であれば、比較的シンプルとも言える類型ですが、既婚者が関わる場合には慰謝料請求の話や離婚の話なども絡むことがあり、複雑化していくことがあります。
 本日は、当事者が二人とも独身であったケースについてお話します。

 まず、よくいただくご質問ですが、認知の請求(女性からの)はいつから出来るのかという点ですが、これは胎児段階(出生前)でも可能です。
 生まれてくるお子さんの身分の安定を可能な限り図るのであれば、胎児段階において認知を求めるということが考えられます。
 ただ、後に述べる出生後に認知を求める場合と異なり、話し合いで求めても相手方認知をしないときは調停を申し立てることはできるのですが、この調停で相手方が認知をすることを拒むと、いわゆる審判をもって強制的に認知をさせるということはできないという点に特徴があります。
 この場合には改めて出生後に認知を求める必要がある訳です。
 
 次に、出生後に認知を求める場合ですが、この場合でもまずは話し合いからスタートするのが通常でしょう。
 話し合いで認知することに決まれば、認知の届を出すことで手続は終了します。
 他方、話し合いがまとまらないときは、やはり調停を申し立てる必要があります。
 出生後の調停においては、出生前の調停と異なり、裁判所は相手方が認知を拒否しても、審判で強制的に認知をさせることができます。

 ただ、ここでも注意が必要になります。
 DNA鑑定を用いてほぼ100%生物学的な親子関係を確認できるのであれば問題はないのですが、DNA鑑定に相手方が協力してくれないときは、鑑定以外の方法をもって親子関係の存在を裏付けなければなりません。
 ここにDNA鑑定を拒否する相手方も多く、他に何ら証拠がないとなると、ここで手続が頓挫してしまい、訴訟に拠らざるを得ない可能性が出てきます。
 続く訴訟でも究極的に言えばDNA鑑定に協力する義務は相手方にはなく、一切を拒否されると(調停にも訴訟にも出頭してこないというケースもあります)、やはり鑑定以外の方法で親子関係を裏付けなければならないのですが、これは簡単ではありません。

 このように客観的に生物学的な親子関係があることが確認できれば強制的に認知を求めることができる場合があるのですが、そうでない場合にはいくつか越えるべきハードルがあることに注意が必要でしょう。

 過去に経験したケースでは協議も無視、調停も無視、訴訟にも一切出廷せずという事案がありました。
 認知請求となると、出生からかなりの時間が経過しているケースも多く(過去に日本で就業していたフィリピン国籍の女性が、当時交際していた日本人の男性に10数年経過した後に認知を求めるというケースを多くお受けしております)、証拠が少ない、記憶が曖昧である、相手方の所在が分からない、相手方が結婚しているため状況が複雑であり、スムーズに話が進まないという壁にぶつかることも多くあります。

 パートナーと結婚していれば問題はありませんが、未婚のうちに妊娠をしたときには、速やかにご相談ください。
 証拠を収集しながら、出来る限り早期に交渉を行い、お子さんの身分安定のために戦わせていただきます。

  1. 2018/08/17(金) 15:07:25|
  2. 男女トラブル
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退職勧奨を受けたとき


 どうも、娘と北海道に行った際、ホテルにあまりにも外国の方が多かったため「ねえ、パパ、北海道って日本語?」と聞かれて、子どもの素朴な疑問にウケた40歳目前の僕です。
 そういえば、夏の新千歳から旭川あたりまでは、見かける車のほとんどがレンタカーでびっくりしたのを覚えています。
 
 さて、本日は退職勧奨を受けた際に注意すべきことについてお話したいと思います。

 退職勧奨とは、会社の社長や上司などから退職するよう働きかけを受けることをいいます。
 例えば、会社の業績が悪化した時などに、そっと「辞めてくれないか」と働きかけることですね。
 退職の勧奨ですから、もちろん従う義務はありません。
 ですが、上司から業績の悪化や個人的な成績の不良など、様々な理由を告げられたうえで「辞めてくれないか」と言われると、事実上従うしかないようにも思えます。

 実は、この事実上の感覚こそ注意しなければいけないところです。

 会社はなぜ退職の勧奨を行うのでしょうか。
 一方的に会社の理由で雇用関係を解消するのであれば「解雇」するという手があります。
 なぜ会社は「解雇」という手段を使わないのでしょうか。

 会社の業績悪化を理由とした解雇となると、会社側の一方的な事情に基づくものであり、いわゆる「整理解雇」に該当すると思われるところ、実はこの類型の解雇が有効になるためには高いハードルを越えていかなければなりません。
 解雇は一方的な意思表示であるため、労働者の承諾なく言い渡すことができるところにメリットがあるのですが、上記のとおり、ハードルが高いことから、後に労働者側からその有効性について争われると、解雇が無効となりかねません。
 そうなれば、争うにあたってのコストがかかりますし、解雇が無効となれば、解決金として労働者側に支払わなければならない可能性もあります。
 このように解雇は会社側にとって、雇用関係を解消するための便利な方法ではあるのですが、リスクが伴うため、退職勧奨を選択することでそのリスクを回避するのです。
 退職勧奨であれば、あくまで事実上の働きかけでしかなく、労働者側がかかる働きかけを受けて退職の意思表示をすることによって雇用関係が解消されます。
 この場合はあくまで労働者側が選択したから雇用関係が解消されるという位置づけになるわけです。
 そのため法的には会社側のリスクが極めて少ない訳です。

 しかし、会社側が早期に雇用関係を解消したいと考えたとき、事実上の退職の働きかけを超えて、退職の強要とも言うべき事態に陥ることもあります。
 例えば「ここで自主的に退職をしてくれないならば、解雇を言い渡すしかないなあ。そうなれば転職に不利だよ。このまま会社にいても君に未来はないよ」などと働きかけるやり方です。
 上司から連日呼び出されて、上記のようなことを言われたら、やはり辞める以外選択肢はないのではないかと思いますよね。

 このような状況下で退職の意思表示をした場合でも、後に退職の意思表示を取り消すことができる場合があります。
 ただ、こういった話し合いは密室で行われることが多く、会社側からどのような働きかけがあったかについては証拠が残っていないケースがほとんどです。
 過去に退職に関してのやり取りをしていた際のメモが出てきて、不利な状況を打開したという事案がありましたが、証拠が少なく戦いにくい類型であることは間違いありません。

 もし退職を強引に迫られていると感じたら、可能な限り、上司との話し合いを録音するようにしましょう。
 また、その場を切り抜けるためにとりあえず退職届などに署名押印をするなどといったことはしないようにしましょう。
 一度相手方に有利な証拠を手渡してしまうと、後に争うことはかなり困難です。
 専門家に相談したうえで回答する、と告げてその場を後にするようにしてください。
 そうすれば、会社側も無茶な方法を取ることはできないでしょう。

 使用者と労働者という特殊な関係にある中で、自らの権利を守ろうとする場合、事実上の圧力にいかに屈しないかという点が重要になります。
 労働問題は突如として持ち上がり、気がつくと王手となっていることも少なくありません。
 
 自身での対応に不安を感じたら速やかにご相談ください。

  1. 2018/08/16(木) 17:25:01|
  2. 労働トラブル
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美人局 自宅まで押しかけられた事案

 
 どうも、昔に観た映画『グーニーズ』のチャンクと『スタンド・バイ・ミー』のバーンの区別が時々つかなくなる40歳目前の僕です。
 調べてみると、全く違う二人なのですが、ぽっちゃりでいじられキャラというだけで区別がつかなくなるようです。
 
 さて、本日は出会い系サイトで起きたかなり激しい美人局の事件について話をしたいと思います。

 何度も書いてきたところですが、出会い系サイトは気軽な出会いの場を提供するものであって便利さはあるものの、他方で不特定多数の方が気軽に会える場であるがゆえにトラブルも多く起きております。
 弊所にお寄せいただくご相談においても、相手方と接点を持った場が出会い系サイトであることはよくあることです。
 
 そんな出会い系サイトですが、趣味の合う相手を探す、交際相手を探す、結婚相手を探すといった通常のカテゴリからやや外れた、援助交際の相手を探すサイトとなると、より多くのトラブルが報告されております。
 こういったサイトでは、大々的に援助交際の相手探しが展開されているわけではないのですが、書き込み内容を見ると「サポ」(サポート)とか「ホ別」(ホテル代別)などの造語で書き込みされており、見る人が見ればすぐに援助交際の相手を求めている書き込みと分かるようになっています。

 さて、過去にご依頼を受けたケースなのですが、こういった援助交際のやり取りが多数なされているサイトでトラブルが起こりました。
 サイトで出会い、その後、個人的にメールを交換してやり取りを開始、双方の目的は明確になっているため、とんとん拍子で話が進んだようです。

 待ち合わせをすると自称の年齢よりも若く見える女の子がやってきたので、少し気にはなったようなのですが、それでも当初の話のとおり、女の子の案内するホテルへ行き、性行為をして、お金を払ったようです。

 ホテルを出て、車で自宅に帰るまで、特に誰かが話しかけてくることもなく、トラブルにならず終わったなあと思った矢先、いきなり自宅に人が訪問してきたとのことでした。
 訪問者はいきなり「わかっていますよね」と話しかけてきました。
 依頼者はすぐに援助交際のことだと思い至ったのですが、自宅まで来られたことで気が動転し、そのままドアを閉めて、呼び鈴を押されても無視を続けたそうです。
 なお、依頼者は奥さん及びお子さんと同居しており、家族にはこのことを知られたくないと思っていました。
 ですが、自分も援助交際をした手前、警察には相談することができないと考え、狼狽えた結果、弊所にご相談にいらっしゃいました。

 こちらは自宅を知られているが、相手方の素性が分からないという状況だったので、相手方の特定ができず(既に、出会い系サイトで知り合った女の子の情報はサイトから消えていました)、今は状況を見るしかないという話をしたのですが、その日の夜に、再度事件は起こりました。

 なんと出会い系サイトで知り合った女の子との性行為時の画像(動画のキャプチャー)が家のドアに張り付けられていたのです。貼り付けられた紙には、金銭の要求をするかのようなメッセージもありました。
 また、帰宅した奥さんにも不審な人間が話しかけてくるなど、執拗に相手方からの接触行為が続きました。
 さらに、この日から依頼者宛に知らない番号から連絡が入るようになり、留守番電話には一度直接話をしたいという内容のメッセージが入っていました。

 この時点で既に奥さんにも知られてしまったこともあり、腹を決めて、警察に被害相談をするように指示を出しました。
 警察に相談すると、もちろん援助交際をした点についてはこっぴどく叱られましたが、相手方の手口が悪質であることや自宅が知られていたことから、すぐに人員を配置し、自宅付近の警戒を開始してくれました。
 また、相手方の素性を電話番号等から調べた結果、相手方の逮捕を検討しているとのことで、準備を進めてくれました。

 ただ、なかなか相手方の所在がつかめないということで、弊所と協働で動くことになりました。
 具体的には、相手方にまず代理人という立場で連絡し、示談をするかのように持ち掛けて呼び出し、呼び出したところを通常逮捕するというシナリオです。

 当職が連絡をすると、電話口でだいぶ乱暴な口調で話をしていましたが、示談を検討しているという話をしたところ食いついてきました。
 そこで、示談をするならば書面をきちんと作成する必要があるし、案件の内容上、外で話をするのには向かないから、事務所の会議室で話し合いをしようという提案をすると、警戒しながらも了承してきたのです。

 すぐに警察に相手方が来る日時を連絡すると、逮捕状を取るとのことでした。
 いよいよ捕り物です。

 当日、相手方はお金が受け取れると思ってか、何の警戒もせずに事務所に現れました。
 会議室に通した後、警察に連絡すると、刑事が数人会議室に踏み込んで、令状を示して逮捕となりました。

 逮捕後の相手は大人しかったですね。
 脅すつもりはなかったということで弁解をしていましたが、さすがにその話は通りませんでした。
 ただ、援助交際がきっかけとなっていたという点もあったことから、検事が事件化に若干の難色を示していたようで、相手方が保有している画像の削除や今後の接触をしないという旨の条項を設けた合意書を取り交わして終わりとなりました。

 自宅に来て嫌がらせをするというような古典的な恐喝はなかなか少なくなりましたが、それでも時々「行き過ぎた」トラブルが起きます。
 恐喝や脅迫への対応は早期介入が重要です。
 相談しにくいとお考えの方もいるかもしれませんが、どんな経緯があろうと皆様を可能な限り守ります。

 まずはお気軽にご相談ください。

  1. 2018/08/15(水) 09:18:21|
  2. 恐喝・強要対策
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解雇されてしまったら


 どうも、最近、日帰りの地方出張だと疲れが取れず、次の日まで引きずることの多くなった40歳目前の僕です。
 ここ数か月にわたり、月1ペースでの鹿児島出張が続いてきましたが、鹿児島出張は大のお気に入りです。食べ物はおいしいし、景色はキレイ、また空港のある霧島市には温泉も多く、仕事の合間にリフレッシュすることができるからです。
 必然的に鹿児島好きになり、せごどんTシャツを寝間着にするほどになりました。

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↑ せごどんTシャツです。

 さて、本日は解雇を言い渡されたらどうするかという話をしたいと思います。

 最近、いきなり解雇を言い渡されたのだが何かできることはないのかという相談を数件お受けしました。
 何の前触れもなく、明日から来なくていいなんて言われたら困ってしまいますよね。
 昔に比べれば、労働トラブルについての知識が広まったせいか、使用者からの理不尽な解雇は減ったように思えますが、残念ながら解雇に関わるトラブルについてご相談いただくことは今でもございます。
 以下、解雇を言い渡されたときの対処法について説明いたします。

①解雇の事実を争われないようにする

 意外と多いのが、解雇を口頭で言い渡すケースです。
 「明日から来なくていい」「クビだ」と社長から言われたという時に、法的には解雇されたと言えるのですが、後に「あれは解雇ではなく、退職を申し入れただけだ、勝手に君が辞めたんだろう」と言われるケースもあります。
 これは法的に解雇が有効になるためのハードルが高いため、トラブルになった後、自主的な退職をしたという話に持ち込んでしまおうというやり方になります。
 もし、解雇の事実について相手方が争ってきたときには、こちら側が「解雇された」という点を証明しなければなりません。
 そのような事態に備え、社長なり上司なりが口頭で解雇を言い渡してきたときは、解雇の通知を「書面」で出すよう申し入れしましょう。
 抵抗するようであれば、少なくともメールで解雇であることを確認するやり取りや、会話の録音などを行うなどの方法を取ることも考えられます。

②解雇の理由を争われないようにする

 口頭で解雇を言い渡す場合に多いのが、後に解雇理由が変わるというものです。
 極端なケースで言うと、社長がセクハラまがいのことをしていたため、それを拒否したら、もう来なくていいと言われたケースがありました。
 口頭では、こちらの要望に応えないのであれば、会社に来てもらう必要はないという自己中心的な理由を話していたのですが、後に、成績不良だとか、指示に従わないとか、当初の理由とは異なる話を出してきました。
 こうなると、当初の理不尽な解雇理由が証拠に残っていないため、労働者側としては争いにくくなってしまいます。
 
 解雇に対抗するためにきちんと準備するためには、相手方がどのような理由で解雇を通告してきたのかを明らかにし、それに対して、かかる理由が不合理であり、相当性を欠くものであることを主張していく必要があります。
 すなわち、解雇理由が後出しじゃんけんのように変わったり、追加されたりすると、相手方に解雇を正当化する余地を与え続けることになり、いつまでも充実した戦いをすることができません。

 解雇の通知と同様に書面で解雇理由を出すように申し入れしましょう。
 最悪でもメールや録音などで解雇理由が分かるようなやり取りを残しておくことはしておいたほうが良いかと思います。

③退職届を書かない

 解雇は使用者側からの一方的な意思表示になり、雇用関係は一方的に解消されることになります。
 そのため、解雇をされればそれで終わりで、あえて退職届を書かなければならないことはありません。
 このあたりを誤解されている方が意外と多く、解雇された後に、退職届を書いてしまったという方がおりました。
 この場合、解雇の通知や解雇理由証明書がないと、自主的に退職を申し出たような証拠しか残っていないことになり、後に解雇が不当であると争いたいと考えても、そもそも解雇の事実を証明できず頓挫するということにもなりかねません。

 会社側から解雇を言い渡されたら、繰り返しになりますが、まずは解雇の通知や解雇理由証明書を出してもらうようにして、それ以外に、退職届だとか退職願といった書面を出すよう言われても、安易に従わないように注意しましょう。

 労働トラブルは、使用者と労働者という独特の力関係の中で起こるものであることから、一方的に押し切られてしまうことも多くあるようです。
 そして、一度、相手方に事実関係を固められてしまうと、後に争うことは難しくなっていきます。

 労働トラブルに巻き込まれたときは、速やかにご相談ください。

  1. 2018/08/14(火) 10:27:35|
  2. 労働トラブル
  3. | コメント:0

私が出会ったかっこいい刑事

 
 どうも、泳ぎではバタフライか平泳ぎが得意な40歳目前の僕です。
 背泳ぎが一番苦手なのですが、頭をゴチンとぶつけるのではないかという不安からどうしてもターンの際に減速してしまいます。
 水泳は小学生の時に6年間続けましたが、背泳ぎでターンが怖いという感覚を払拭することはできませんでした。50歳までには克服できるかな。

 さて、本日は私が出会ったかっこいい刑事について話をしたいと思います。

 刑事事件ではもちろん、民事事件においても警察の方とやり取りをすることがあります。
 例えば、詐欺被害のケースでは、弁護士が調査できる情報には限界があるため、刑事事件化を視野に入れ、警察に被害相談をすることがよくあります。
 残念ながら、警察は少ない人員で多数の案件を扱っていることから、証拠がきちんと揃っているような事案や振り込め詐欺のように明らかに詐欺であると言えるような事案を除き、なかなか介入をしてもらうことは難しいのが現状なのですが。
 また、私がよくお受けしている、恐喝や脅迫の被害を受けているという事案においても、物理的に危害を加えられる可能性が出てきたときには、警察の方に相談をします。
 こういった事案のときの警察の方々は非常に頼りがいがあり、依頼者も安心しますし、私も安心して相手方とのやり取りをすることができます。

 上記のとおり、警察の方々と接点を持つことは少なくないのですが、お会いする方の中には、うーん来世では警察に入りたいなあと思わせるような方もいらっしゃいました。

 それは刑事事件において出会った刑事でした。
 ネットオークションで商品を販売した方からの依頼だったのですが、購入した方から詐欺であると言われていると。何度かやり取りをしていたが、話し合いは平行線をたどり、遂に購入した方が警察に相談し、今度、警察署に出頭するよう連絡が来たので何とかして欲しいというご依頼でした。

 依頼者の話を聞くと、うん、それは詐欺と言われても仕方のないところもあるという事案であったので、謝るべきところはしっかり謝りましょうという方針でいくことになりました。
 ただ、この事案は、依頼者の奥さんも関係していると疑われており、警察署には奥さんも出頭するよう要請されていたのです。
 奥さんは精神的に非常に不安定な方で、取調室に一人になったら間違いなくパニックになるので何とかして欲しい、この点も依頼の目的の一つでした。

 しかし、警察署への同行をしても、取調室の中までは通常は入れず、過去に申し入れしたときも全て拒否されていました。
 今回も最初はダメ元で申し入れるつもりで警察署へ行きました。

 担当の刑事さんは地方からこの案件のためにやってきた方で(被害者とされる方は地方の方でした)、見るからに無骨な感じの刑事でした。
 刑事事件においては、全ての事案で妥当する訳ではありませんが、警察側と対立することがあります。捜査を進める側である警察にとって、事あるごとに被疑者にアクセスし、要らぬ智恵(弁護にはもちろん必要な智恵ですが)を入れる弁護士は時に邪魔に感じることでしょう。
 今回もバチバチになりそうだなあ、その刑事さんを見て思ったのを覚えております。

 しかし、弁護士であることを告げると、開口一番「よろしくお願いいたします」という非常に丁寧なあいさつをいただき、こちらが聞く前に、今回の事件について捜査を開始した経緯、被害者とされる方の言い分、今まで手に入れた証拠について詳しく説明をしてくれ、一部、証拠も見せてくれました。
 捜査段階で警察がこのような対応をしてくれることはほとんどありません。

 正直、相手の対応に度肝を抜かれたので、どうしてそこまで細かく説明をしてくれるのですか、と聞くと「隠すことは何もありませんので」ときっぱり。うーん、かっこいいね。

 奥さんの精神状態を伝え、取調室での同席を希望すると、これも二つ返事で「全く問題ありません、隠すことは何もありませんから」と。
 そんな訳で、奥さんのフォローをしながら、かなり貴重な取り調べの場面を目の前で見ることができました。

 一通りの取り調べが終わったあと、警察署のベンチでその刑事さんと話をしていたのですが、取り調べの極意や持っている捜査の哲学、個人的な夢など時間の限り話してくれました。
 たたき上げということでしたが、人間的な魅力に溢れており、部下との会話を聞いていても、心から信頼される上司そのものでした。

 警察と聞くと、どこかとっつきにくい印象を持たれる方もいるかもしれません。
 実際、若干上から目線だったり、融通が全くきかなかったりと、付き合いにくい方がいることも確かです。
 ですが、日本の警察には、小説に出てくるようなかっこいい刑事もいるんですよね。
 
 別の事件でも、うーむ、かっこいいなあと思う刑事さんに出会ったことがあります。
 追々お話していこうと思います。

  1. 2018/08/13(月) 23:46:04|
  2. マメ知識
  3. | コメント:0

情報商材に関するトラブルについて


 どうも、ポテトではマクドナルド、ハンバーガーならバーガーキングかウェンディーズが好きな40歳目前の僕です。
 『スーパーサイズミー』という映画を観て、ジャンクフードは怖えなあと思いましたが、時々無性に食べたくなります。
 食べたら青汁とトマトジュースでリセットという魔法を自分にかけることにしています。

 さて、本日は情報商材に関するトラブルについてお話したいと思います。

 一時期、とてつもない件数の相談をお受けしていたのが、情報商材を購入してしまったのだが返金請求はできないかというご相談です。
 商材の中身は様々ですが、どれも「お金儲け」を目的とする商材であった点は共通しています。
 オークションで稼ぐ、FXで稼ぐ、写真を撮って稼ぐ、世の中にはそんなにたくさんのもうけ話があるのかと驚いたもんです。
 まあ、もちろんそんなに美味しい話はない訳ですが。

 ご相談の中で一番多かったのは、説明されていたのと異なり、全く儲けられないが、これは詐欺ではないかというご主張です。
 このような主張を立てて、返金を求めることは果たしてできるのでしょうか。

 結論から申し上げると、説明の状況次第では返金を求めることができるというものです(いつも曖昧な回答で申し訳ありません)。

 今でこそ少なくはなりましたが「絶対儲けられる」「絶対勝てる」といった、不確定な要素について断定的に説明をしているような場合には、返金を求めることができる場合があります。
 例えば、競馬の勝ち馬情報などです。
 JRAのお偉いさんと繋がっており、勝ち馬が事前に分かるなどと説明するケースがありましたが、不確定な要素について「勝てる」という断言をする手口になります。
 このような場合には返金の理屈をきちんと立てることができるでしょう。

 上記のほか、不利なことを殊更に説明しないとか、説明内容が誤解を与えるような不当なものであったときにも返金を求めることができるかと思います。

 他方、リスクをきちんと説明したうえで、勝てるときもあれば、負けるときもあると説明している場合には返金を求めることは難しくなります。
 営業の場面においては、ある程度、商品の魅力を伝えるという行為は許されるところ、それが限度を超えて誤解を与えるような不当なものでないときには、商品に対する期待は保護されない可能性があるということですね。
 すなわち「儲かると思っていたのに、儲からなかった」というだけでは、返金を求めることができない可能性がある訳です。
 
 お金儲けに絶対はありません。
 特に、投資となればギャンブル的な要素がつきまといます。
 どのような情報を頼りにするかは、あくまで利用する側の責任になるのが原則ということになります。

 それでは返金請求の理屈が立つとして、回収の可能性はあるのでしょうか。

 まず、相手方がきちんと実体を有し(例えば、法人であれば登記されており、本店も実際のオフィスが存在する)、事業を継続しているのであれば、回収可能性はあるかと思います。
 このような場合、相手方は、返金請求に対して真っ向から反論し、訴訟などに発展することでコストや手間をかけるよりは、一定金額でも返金したほうが経済的に合理的であるという判断が働く可能性があるからです。
 また、法的紛争を抱えている事実がネットなどで拡散されることによるレピュテーションリスクを回避するという判断に至ることもあるでしょう。

 他方、個人事業主のレベルで活動をしている相手方になると、短期間かつ小さい規模で展開していることが多く、一部でも返金して追い払ったほうが経済的に合理的であるという考えに至らない可能性があるかと思います。
 経験則で恐縮ですが、過去のケースでは個人を相手にするよりも法人が相手になった事案のほうが返金実績が高かったかと思います。

 もちろん、何ら実体のない相手(法人を名乗るが、登記もしていないような相手のとき)となると、いつの間にか連絡が取れないということになることも多く、かなり回収の可能性は低いと言わざるを得ません。

 上記のほか、情報商材に関するトラブルに共通する難しさとして、商材の代金が数十万円ということが多く、弁護士に依頼したり、訴訟を提起したりするにあたって、コストをそこまでかけられない(かけすぎれば赤字になる可能性すらある)という問題が挙げられると思います。
 相手方はもしかしたら、専門家には頼みにくい金額かつ悔しいが諦められる金額として、数十万円という価格設定をしているのかもしれません(考えすぎかな)。

 情報商材に関するトラブルは一時期ほど多くはないものの、今でもご相談いただくことがあります。
 どのトラブルにも共通して言えることですが、お金を払う前に、誰かに相談をしてみてください。
 そして「それ、大丈夫なの?」と反対の立場から意見をしてくれる方の言葉に冷静に耳を傾けてみましょう。
 一度立ち止まって考えるだけで、この種のトラブルの多くは回避できるはずです。

  1. 2018/08/13(月) 17:57:47|
  2. 詐欺被害対策
  3. | コメント:0

復縁屋や別れさせ屋との料金トラブル

 
 どうも、駅弁では肉の弁当よりも魚の弁当を選ぶ40歳目前の僕です。
 昔はそんなことなかったのですが、新幹線の出張で頻繁に駅弁を食うようになると、魚の駅弁のほうが冷えていてもうまいのではないかと思うようになりました。
 肉好きの僕としては、肉のお弁当にも頑張ってもらいたいところです。

 さて、本日は復縁屋や別れさせ屋に関するトラブルについてお話しようと思います。

 過去に何度かご相談を受けたものに、復縁屋や別れさせ屋との間の料金で揉めているというものがありました。
 どういった業者かというと、明確な定義がある訳でないのですが、あえて言うならば、対象者を調査し、工作をしたり、依頼者にカウンセリングをしたりして、対象者との復縁を支援または対象者と依頼者または第三者と別れさせることを目的に活動する業者ということになるでしょうか。
 対象者の調査という活動が含まれるため、復縁屋や別れさせ屋の多くは通常探偵業の届出をしているようです。

 ご相談を受けたケースでは、期待したようなサービスの提供がないにも関わらず高額の費用を請求されているというものが一番多かったかと思います。
 では、このような場合に費用の取り戻しや減額を求めることは可能なのでしょうか。

 全てのケースに妥当するものではありませんが、高額な料金の大部分は対象者の行動確認(業者は工作やカウンセリングの準備行為に位置付けているようですが)にかかる経費で請求されているケースが多かったかと思います。
 そして、行動確認の作業については、それが本当に復縁や別れさせるという目的に役立つのかどうかは別にして、報告書など何らかの形で動いた形跡を残しております。
 また、行動確認にかかる経費については事前に契約書等で単価を説明しているケースが大半でした。
 すなわち、こちらが納得した活動を、納得のうえでのコストをかけて実施しているため、この点の費用について減額や返金を求めることは難しいかと思います。
 いわば、復縁や別れさせるという目的に目が行った依頼者の誤解を利用する形で、従来の探偵の業務を実施して料金を請求するとも言えるのですが、この点を詐欺や錯誤といった理屈を駆使して崩していくのは難しいでしょう。

 他方、工作やカウンセリングはいかがでしょうか。
 工作について、どのような作業をするのかは分かりませんが、行動確認と同様に、コストが事前に明示され、かつ報告書のような形で作業をした裏付け証拠が出されるとなれば、やはり争いにくいでしょう。
 工作の結果、目的が果たされるか否かの点について、業者は保証するものではないということは通常契約書で明確に謳っており、作業を実施したとなれば、その点のコストの支払から逃げることは困難と言わざるを得ません。

 カウンセリング費用についても、内容としてはメールやLINEで雑談をするようなカウンセリングとはとても言い難いようなクオリティのものがあるようですが、それでもカウンセリングと称して、決められた内容を実施されてしまいえば、相手方としては債務を履行したことになりますから、減額や返金を求めることは難しいと言えます。

 以上、復縁屋や別れさせ屋という名称がついていることから、復縁や別れさせるという目的のために「特殊なこと」をしてくれるように思い込む方が多く、それゆえに、従来の探偵業に毛が生えた程度の業者に多額の費用を払ってしまうようです。
 
 業者の中にはかなり高額な成功報酬を設定し、違法行為を含む、かなり強引な方法で目的を果たそうとする業者もいるようです。
 人の気持ちを何らかの人為的な方法で変えようとすることには無理があるように思えてなりません。

 恋愛には山も谷もあるかと思いますが、傷ついた心を癒すために、安易に業者にお金を払うのではなく、酒や友人、時間といった自然な手段でゆっくりと回復を目指すようにしてはいかがでしょうか。

  1. 2018/08/12(日) 19:45:06|
  2. 詐欺被害対策
  3. | コメント:0
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プロフィール

弁護士 若井 亮

Author:弁護士 若井 亮
若井綜合法律事務所代表弁護士。二児の父。
格闘技と貧乏旅行をこよなく愛し、体力と工夫で戦うガテン系弁護士。
末っ子。

どんな案件でもご相談は初回無料でお受けしております。

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